Windows 11でパーティション変更できない?原因と解決策
Windows 11でパーティション変更ができない原因を解説!システム制約や未割り当て領域の問題など、考えられる理由と解決策を詳しく紹介します。
Cドライブの空き容量が不足している、または不要なパーティションを削除したいのに操作ができないといった経験はありませんか?
Windows 11では、標準の「ディスクの管理」ツールを使用してパーティションの変更が可能ですが、「拡張できない」「エラーが発生する」といった問題に直面し、思うように操作できないことがあります。
なぜパーティションの変更ができないのでしょうか?また、どのように解決すればよいのでしょうか?本記事では、その原因と具体的な解決策について分かりやすく説明します。パーティションの調整に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
Windows 11でパーティション変更できない主な原因
Windows 11においてパーティションの変更を試みる際、「拡張できない」や「削除できない」といった問題が生じることがあります。これらの問題の主な原因について詳しく説明いたします。
◉1. 未割り当て領域が隣接していない
パーティションを拡張するためには、隣接する未割り当て領域が必要です。しかし、Cドライブの後ろに未割り当て領域が存在しない場合(例えば、Dドライブがその間にある場合)や、拡張したいパーティションと未割り当て領域の間に回復パーティションがある場合、拡張は不可能です。
▸ 豆知識:未割り当て領域とは、ディスク上で特定のパーティションに属さない空きスペースを指します。この未割り当て領域は、新たなパーティションを作成したり、既存のパーティションを拡張したり、異なるファイルシステムでディスクを再編成する際に主に利用されます。
➡ 解決策:未割り当て領域を移動させるか、作成することが考えられます。
◉2. 回復パーティションが邪魔をしている
Windows 11には「回復パーティション」が存在し、オペレーティングシステムの復旧機能を提供しています。しかし、このパーティションが原因でCドライブの拡張ができない場合があります。具体的には、回復パーティションがCドライブと未割り当て領域の間に位置しているため、標準のツールでは回復パーティションを削除したり移動したりすることができず、結果としてCドライブの拡張が妨げられることがあります。
▸ 豆知識:回復パーティションとは、Windowsのシステム修復や復元に必要なツールやファイルが格納されている特別なパーティションです。このパーティションは通常、Windowsのインストール時に自動的に生成され、ユーザーが直接アクセスすることはできません。
➡ 解決策:回復パーティションを移動または削除することが考えられます。削除を行う場合は、事前にリカバリーディスクを作成しておくことが重要です。
◉3. ファイルシステムの制約(NTFSとFAT32の違い)
Windows 11では、主にNTFSフォーマットが推奨されていますが、FAT32パーティションが存在する場合、変更に制約が生じることがあります。これは、FAT32パーティションが最大32GBまでしか拡張できないためです。また、ファイルシステムが破損している場合も、変更は不可能です。
▸ 豆知識:ファイルシステムとは、データの管理および保存に関する規則や構造を指します。これは、オペレーティングシステムがファイルを適切に読み書きするために不可欠な仕組みです。Windowsでは主にNTFS、FAT32、exFATのファイルシステムが使用されています。パーティションを操作する際には、ファイルシステムの違いにより変更ができない場合があるため、事前に確認することが重要です。
➡ 解決策:FAT32をNTFSに変換することが考えられます。
◉4. ディスクの種類(MBRとGPT)の違い
Windows 11では、GPT(GUIDパーティションテーブル)ディスクの使用が推奨されていますが、MBR(マスターブートレコード)形式のディスクにはいくつかの制約があります。具体的には、「MBRディスクでは最大4つのプライマリパーティションしか作成できない」ことや、「2TBを超えるディスクではGPTでなければ全領域を利用できない」といった制限があります。
▸ 豆知識:MBR(マスターブートレコード)とGPT(GUIDパーティションテーブル)は、HDDやSSDのパーティション情報を管理するための方式です。Windows 11ではGPTが推奨されており、MBRのままだとパーティションの変更に制約が生じる可能性があります。
➡ 解決策:MBRディスクをGPTに変換することが考えられます。この変換は、データを消去せずに行うことも可能です。
◉5. ディスクにエラーが発生している
ディスクにエラーが存在する場合、パーティションの変更が不可能になることがあります。特に、不良セクタやファイルシステムのエラー、またはディスクが読み取り専用の状態であることが主な原因となることが多いです。
▸ 豆知識:ディスクエラーとは、HDDやSSDにおいて何らかの問題が生じ、データの読み取りや書き込みが正常に行えなくなる状況を指します。主な原因としては、不良セクタ、ファイルシステムの異常、物理的な故障が挙げられます。Windowsには「エラーチェック(CHKDSK)」という機能があり、これを利用することでディスクエラーの検出と修復が可能です。
➡ 解決策:CHKDSKを実行し、ディスクのエラーチェックを行うことが推奨されます。
このように、Windows 11においてパーティションの変更ができない理由は多岐にわたりますが、各状況に応じた適切な解決策を講じることで問題を解消することが可能です。次の章では、具体的な解決策について詳しく説明いたします。
解決策1:ディスクの管理で未割り当て領域を確認
まず初めに、Windows 11の「ディスクの管理」ツールを利用して、未割り当て領域の状況を確認し、パーティションの適切な変更が可能かどうかを検討しましょう。
ステップ 1. 「コンピューター」または「PC」を右クリックし、「管理」を選択した後、左側の「ディスクの管理」をクリックします。
ステップ 2. ディスクの管理画面では、各パーティションが視覚的に表示されるため、拡張や縮小が可能かどうかを一目で確認できます。ここでパーティションの一覧と未割り当て領域の有無を確認します。
ステップ 3. Cドライブを拡張したい場合、未割り当ての領域がない場合は、新たに作成する必要があります。
ステップ 4. Dドライブを右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。縮小するサイズをMB単位で入力し、「縮小」をクリックすると、未割り当ての領域が表示されます。
ステップ 5. Cドライブを右クリックし、「ボリュームの拡張」を選択します。ウィザードが表示されるので「次へ」をクリックし、拡張するサイズをMBで入力して「次へ」を選択し、「完了」をクリックします。
注意点:
縮小可能な最大サイズは、パーティションの利用可能な空き容量に基づいています。なお、拡張するボリューム(ドライブ/パーティション)はNTFSまたはRAWファイルシステムでなければなりません。条件を満足しないと、「ボリュームの拡張」オプションがグレーに表示される場合はあります。
解決策2:回復パーティションを削除
Windows 11において、回復パーティションがCドライブと未割り当て領域の間に存在する場合、Cドライブの拡張ができないことがあります。このような状況では、回復パーティションを削除することでCドライブの拡張が可能となります。
▸ 豆知識:回復パーティションとは、システムディスク上に存在する特別なパーティションです。通常、日常的なデータ保存には使用されず、コンピュータを工場出荷時の状態や特定の状態に戻すためのデータが格納されています。このパーティションからコンピュータを起動することで、リカバリー作業を実施することが可能です。
ただし、回復パーティションを削除するとWindowsのリカバリー機能が利用できなくなる恐れがあるため、事前にリカバリーディスクを作成しておくことをお勧めします。
ステップ 1. 「Windowsキー」と「Rキー」を同時に押し、「cmd」と入力して「OK」をクリックし、管理者権限で「コマンドプロンプト」を起動します。
ステップ 2. コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
diskpart
list disk
select disk 0(例:ディスク0の場合)
list partition
select partition 4(例:回復パーティションはパーティション4の場合)
delete partition override
ステップ 3. 回復パーティションを削除した後、「ディスクの管理」を開き、Cドライブを右クリックして「ボリュームの拡張」を選択します。
解決策3:エラーチェックを実行
パーティションの変更ができない理由の一つとして、ディスクにエラーが存在する可能性があります。ディスクにエラーがあると、「ボリュームの拡張」や「ボリュームの縮小」といった操作が制限されることがあります。そのため、Windows 11のエラーチェックコマンドを使用してディスクの状態を確認し、修復を試みることが重要です。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を同時に押し、「cmd」と入力して「OK」をクリックし、「コマンドプロンプト」を管理者権限で起動します。
ステップ 2. コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
chkdsk C: /f /r /x(例:Cドライブの場合)
ステップ 3. 「このボリュームは別のプロセスで使用中です」というメッセージが表示された場合は、「Y」と入力してEnterキーを押します。PCを再起動すると、チェックディスクが自動的に実行されます。
📍関連記事:chkdskコマンドでディスクチェックを実行、ディスクエラーを修復
解決策4:MBRをGPTに変換
Windows 11では、MBR(マスターブートレコード)形式のディスクにおいて、一部のパーティション変更操作が制限されることがあります。特に、2TBを超えるディスクのパーティション変更が不可能であり、またプライマリパーティションは最大4つまでしか作成できないため、これが原因でパーティションの拡張や縮小ができない場合があります。この問題を解決するためには、MBRをGPT(GUIDパーティションテーブル)に変換する必要があります。
ステップ 1. まず、ディスクのパーティションスタイルを確認します。「コンピューター」または「PC」を右クリックし、「管理」を選択、その後左側の「ディスクの管理」をクリックします。
ステップ 2. 変換したいディスクを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「ボリューム」タブを開き、「パーティションのスタイル」を確認します。MBR(マスターブートレコード)であれば、GPTへの変換が可能です。
ステップ 3. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「cmd」と入力して「OK」をクリックし、「コマンドプロンプト」を管理者権限で起動します。
ステップ 4. コマンドプロンプトで以下のコマンド(例:ディスク0の場合)を入力し、Enterを押す。
mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFullOS(現在のディスクが変換可能か確認するコマンドです。Validation completed successfullyと表示されれば変換可能!)
mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFullOS
ステップ 5. 変換が成功すると、「Conversion completed successfully」と表示されます。
解決策5:専用のパーティション管理ソフトを利用
Windows 11の標準機能では、隣接していない未割り当て領域の結合や回復パーティションの移動など、柔軟なパーティションの変更が難しい場合があります。このような制約を克服するためには、専用のパーティション管理ソフトウェアを使用することが有効です。AOMEI Partition Assistantは、初心者にも使いやすいインターフェースを備えており、ワンクリックで空き領域を調整する便利な機能を提供しています。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、Cドライブを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「保留中の操作」を表示して、操作内容を確認できます。実行するには、「適用」と「続行」をクリックしてください。
まとめ
Windows 11においてパーティションの変更ができない主な理由には、未割り当て領域の配置、回復パーティションの影響、MBRやGPTの制約、さらにはファイルシステムのエラーが含まれます。特に、Windowsの標準機能である「ディスクの管理」では、パーティションの変更において柔軟性が欠けるため、状況を正確に把握することが重要です。まずは現在のディスクの状態を確認し、適切な対策を講じることが求められます。より簡単かつ安全に調整を行いたい場合は、専用のパーティション管理ソフトを利用することで、ワンクリックで柔軟な操作が可能となります。自分の環境に適した方法を試し、スムーズにパーティションの調整を行いましょう。