「簡単」Windows 10/11でUEFIブートを修復する方法
UEFIは、従来のBIOSを置き換える新しいインターフェースで、より迅速で安全なPC起動を提供します。UEFIは特にGPT形式のディスクに対応しており、システムのセキュリティや起動時のパフォーマンスを向上させるために重要な役割を果たします。しかし、時にはUEFIブートの問題が発生することがあります。これにより、PCが正常に起動しなくなったり、エラーメッセージが表示されることがあります。この記事では、Windows 10/11でUEFIブートを修復する方法を説明します。
UEFIブートについて
現在、ほとんどのコンピューターはUEFI標準を使用しています。ただし、エラーメッセージが表示され、UEFIブートエラーが発生する場合があります。ここでは、UEFIブートエラーとは何か、一般的なエラーメッセージは何かを紹介します。
UEFIブートとは?
UEFIは、PCが起動する際に使用されるファームウェアインターフェースで、BIOSに代わるものです。UEFIはより多くの機能を提供し、セキュリティ、パフォーマンス、および管理機能において従来のBIOSを上回る利点があります。UEFIは主にGPT(GUID Partition Table)形式のディスクに使用され、特にセキュアブートや高速ブートなどの特徴を持っています。Windows 10やWindows 11では、UEFIが標準のブート方式として広く使用されています。
「PCが起動しない」「UEFIブートが正常に動作しない」などのトラブルが発生した場合、UEFIに関連する問題が原因であることがあります。UEFIは、PCが起動する際に重要な役割を果たすファームウェアですが、設定やファイルの不整合が生じると、ブートエラーや起動不良が発生することがあります。
ユーザー事例:UEFIブートエラーが発生したので修復したい
お世話になります。自作PCでWindows 10をインストールしていますが、最近突然「ブートデバイスが見つかりません」というエラーメッセージが表示され、PCが起動しなくなりました。BIOSで確認したところ、UEFIモードが選択されていますが、OSが起動しません。①UEFIのブート設定を修復する方法、②「ブートデバイスが見つかりません」というエラーの原因と修復方法についてアドバイスをいただけると助かります。補足: システムディスクはSSDで、以前は問題なく起動していました。 – ユーザーからの質問
よく見られるエラーメッセージ
「No Bootable Device Found」:このエラーは、UEFIが起動可能なデバイスを検出できなかったときに表示されます。
「Boot Device Not Found」:起動可能なディスクが見つからない場合に表示されます。
「Reboot and Select proper Boot device」:起動デバイスを再選択する必要がある場合に表示されます。特に、ブート順序が間違っているときに表示されることがあります。
「Invalid partition table」:GPT/MBRの不一致によって発生するエラーです。
「Secure Boot Violation」:セキュアブートに関連する問題がある場合に表示されます。
UEFIブートで問題が発生する原因
UEFIブートエラーは、UEFIモードでPCを起動する際に問題が発生した場合に起こります。UEFIは、従来のBIOSの代わりに使用されるファームウェアで、主に新しいPCやOSで採用されています。UEFIモードでのブートエラーは、いくつかの原因によって引き起こされることがあります。
ブートデバイスの不具合:起動しようとするデバイス(SSDやHDD)が正しく認識されていない場合や、物理的な障害がある場合。
UEFI設定の不一致:BIOS設定でUEFIモードが無効になっているか、Legacy BIOSモードになっている場合。
ブートローダーの破損:OSのブートローダー(例えば、WindowsのBoot Manager)が破損していると、UEFIブートエラーが発生することがあります。
ドライブのパーティションテーブルの不一致:GPTが必要なはずのドライブがMBRでフォーマットされている場合や、逆にGPTが期待されているのにMBRである場合。
セキュアブートの問題:UEFI設定が不適切に変更されると、ブートプロセスが正常に動作しなくなることがあります。特に、セキュアブートが無効になっていたり、ブート順序が誤って設定されていたりすると、起動できなくなります。
Windows 10/11でUEFIブートを修復する方法
この部分では、Windows 10/11でUEFIブートを修復する6つの方法を紹介します。
方法1. スタートアップ修復を使用
Windows10/11には、起動時に問題が発生した場合に使用できるWindows回復環境(WinRE)が組み込まれています。この環境では、さまざまな修復ツールを使用してUEFIの問題を解決することができます。
手順 1. PCを再起動し、起動時に何度かF8キーまたは「Shift+F8」キーを押して、「自動修復」画面が表示されるので、「詳細オプション」をクリックします。
手順 2. 「トラブルシューティング」を選択し、「詳細オプション」を選びます。
手順 3. ここで、「スタートアップ修復」を選んで修復を試みます。スタートアップ修復を選択することで、Windowsが自動的に起動に関する問題を修正してくれます。
方法2. ブート修復ツールを使用
Windows 10や11の起動時にUEFIブートエラーが発生することがあります。UEFIは従来のBIOSに代わる新しい起動方式で、特にSSDや大容量ディスクを使用しているPCにおいて重要な役割を果たします。UEFI設定が破損したり、誤って設定を変更してしまうと、PCが起動できなくなり、ブートエラーが発生することがあります。
このようなUEFIブートの問題に直面した際、AOMEI Partition Assistantは、システムのブート構成を修復するために非常に有用なツールです。特に、UEFI設定やブートローダーの修復を簡単に行うことができ、PCが起動できる状態に戻すのに役立ちます。
- AOMEI Partition Assistantのその他の便利な機能
- ディスククローン:物理的なディスクの交換や、システム移行が必要な際に、ディスク全体をクローンして新しいディスクに移行する機能があります。これにより、システムやデータのバックアップを簡単に行えます。
- パーティションの管理:Cドライブやその他のパーティションのリサイズ、移動、削除、複製などの操作が簡単に行えます。特に、パーティションの最適化や空き容量の調整が迅速にできます。
- パーティションの復元:誤って削除したり、破損したパーティションを復元できる機能があります。これにより、重要なデータの復旧が可能になります。
- ディスクエラー修復:不良セクタの検出と修復ができ、ディスクの健全性を保つために非常に便利です。特に、HDDやSSDの不具合に対処する際に役立ちます。
- パーティション形式の変更:FAT32とNTFSなど、パーティションのファイルシステムを変更する際にもデータ損失なしで対応できます。これにより、システムやデータディスクを柔軟に管理できます。
手順 1. まず、AOMEI Partition Assistantを別の動作中のPCにインストールして、ブート可能メディア(USBまたはCD/DVD)を作成します。メイン画面の「復元」→「ブート修復」とクリックします。
手順 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックしてWinPE用のブート修復USBを作成します。
手順 3. 作成したブート可能メディアを起動できないPCに挿入し、PCをそのメディアから起動します。ブート修復ツールが自動的にUEFIに関する問題を検出し、必要な修復作業を行います。
手順 4. 修復したいエントリを選び、「修復」ボタンを押して処理を開始します。
手順 5. 修復が完了したら、PCを再起動して、Windowsが正常に起動するかを確認します。
方法3. コマンドプロンプトを使用
コマンドプロンプトを使用して、UEFIのブート問題を手動で修復することもできます。特に、BCD(ブート構成データ)やブートローダーの修復に有効です。
手順 1. Windows回復環境(WinRE)で「コマンドプロンプト」をクリックして、立ち上げます。
手順 2. 「コマンドプロンプト」画面で、以下の文字を命令文として入力し(各「/」の前にスペースを入れ)、Enterキーを押します。
- DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth(システムイメージをチェックし、不具合があればWindows Updateを使用して破損しているファイルの修復を行います。)
- sfc /scannow(保護されているすべてのシステムファイルをスキャンし、破損したファイルがあった場合は「C:\Windows\System32\dllcache」の圧縮フォルダにあるキャッシュコピーから復元を行います。)
- bootrec /fixmbr(MBRを修復します。)
- bootrec /fixboot(アクティブパーティションのブートセクタを修復します。)
- bootrec /scanos(ブート可能なシステムをスキャンし、ブート構成データ「BCD」に無い情報を列挙します。)
- bootrec /rebuildbcd(ブート情報を修復します。)
手順 3. 「exit」と入力し、Enterキーを押して、コマンドプロンプトを終了します。
- 🧡注意事項:
- 修復は自動で行われますが、Microsoftのサーバー(Windows Update)より正しいデータを入手するため、あらかじめパソコンはネットワークに接続しておいてください。
- ノートパソコンの場合はACアダプターをつないで作業を行ってください。
- コマンドプロンプトでの作業は誤った入力でWindows 10/11を修復できない状態にもしてしまうので、十分ご注意ください。
- コマンドプロンプトを使ったことがある人は、この方法がやりやすいですが、命令文の入力に抵抗がある人は、別の方法を試すことをおすすめします。
方法4. システムの復元を使用
システムの復元を使用して、パソコンを以前の状態の戻すことができます。UEFIのブート問題を修復することもできます。
手順 1. Windows回復環境(WinRE)で「システムの復元」をクリックした後、対象となるアカウントを選択します。
手順 2. アカウントを選択すると「システムファイルの設定の復元」画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。
手順 3. 日付と説明などにより、復元したい項目(復元したい日時の復元ポイント)を選択して、「次へ」をクリックします。
手順 4. 「復元ポイントの確認」画面が表示されるので、問題がなければ「完了」をクリックします。
手順 5. 「いったんシステムの復元を開始したら・・」というメッセージ画面が表示されます。そこで、「はい」を選択すると、システム復元の処理実行が始まります。
- 🧡注意事項:
- 「コンピューターのシステムドライブに復元ポイントが作成されていません」と表示された場合は、システムの復元を実行できません。
- システムを復元すれば、パソコンを購入時の状態などに戻すことができ、起動できる可能性があります。
方法5. システム修復ディスクを使用
事前に作成したシステム修復ディスクを使用してUEFIの修復を行うことも可能です。これには、Windowsのインストールメディアが必要です。また、別の正常に起動するWindows 10/11搭載パソコンから作成したシステム修復ディスクも使用することができます。
手順 1. インストールディスクから起動します。
手順 2. 最初に言語やキーボードなどを選ぶ初期設定の画面が表示されたら、そのままにして「次へ」をクリックします。
手順 3. 「コンピュータを修復する」をクリックします。
手順 4. 「オプションの選択」画面が現れるので、「トラブルシューティング」クリックします。
手順 5. 「詳細オプション」画面が現れるので、修復の方法をクリックして修復作業を進めます。
方法6. セキュアブートを有効
セキュアブートが無効になっていると、UEFIブートに問題が発生することがあります。セキュアブートを有効にするには、次の手順を試みてください。
手順 1. PCを再起動し、UEFI設定画面(BIOS設定)に入ります。通常、F2やDELキーを押すことでアクセスできます。
手順 2. セキュアブートの設定を確認し、有効にします。
👍関連記事:Windows 10でUEFIセキュアブートを有効化する方法
まとめ
この記事では、UEFIブート修復方法について説明しています。UEFIは、従来のBIOSに代わる新しいファームウェアで、Windows 10やWindows 11などの最新OSで使用されています。UEFIブートに関する問題が発生すると、システムが起動しないことがあります。この記事では、UEFIの起動エラーを修正するための方法を紹介し、特にAOMEI Partition Assistantを使用してUEFIのブート設定を修復する手順を説明しています。
UEFIの修復には、Windowsの修復ツールを使用する方法もありますが、AOMEI Partition Assistantを利用すれば、より簡単にシステムの起動修復が可能です。ツールを使用して、UEFIブート設定を修正することで、システムの起動時に発生するエラーやトラブルを解消し、安定した動作を取り戻すことができます。このような方法を活用することで、UEFI関連の問題を効率的に解決できるので、非常に便利です。