【3選】HDD/SSDのパーティションサイズ変更方法
パーティションサイズの変更方法をサードパーティツール、コマンドライン、ディスクの管理ツールを使って説明。システムのパフォーマンス向上のため、どの方法が最適かを比較しています。
パソコンを使っていると、「ディスク領域不足」といった警告が突然現れたり、大切なデータが保存できなくなったりすることがあります。特にHDDやSSDのパーティションが不適切に設定されていると、これらの問題が頻繁に発生します。しかし、パーティションサイズを適切に変更することで、これらの悩みを解消できることをご存じでしょうか?
実は、パーティションサイズを最適化するだけで、システムのパフォーマンスを大幅に向上させることができるのです。
この記事では、Windows 7/8/10/11でのパーティションサイズを簡単に変更できる方法を3つ紹介します。データが危険にさらされる前に、ぜひこの記事を参考にして、パソコンをもっと快適に使えるようにしましょう。
HDDやSSDのパーティションを変更する理由
►パーティションサイズが適切でないと起こる問題
パーティションサイズが不適切だと、さまざまな問題が発生し、パソコンの使い勝手やパフォーマンスに大きな影響を与えます。具体的には、以下のような問題が考えられます:
ディスク容量不足によるエラー発生
パーティションが小さいと、すぐに空き容量が不足し、データを保存できなくなります。これにより、アプリケーションのインストールができなくなったり、大切なファイルが保存できなかったりします。特に、OSパーティション(Cドライブ)に空き容量が少ないと、システムが正常に動作しない場合もあります。
例えば、Windowsの更新プログラムやアプリケーションのインストールが途中で止まることがあり、最悪の場合、システムのクラッシュや動作不良を引き起こします。
システムパフォーマンスの低下
パーティションが過度に小さいと、ディスクの読み書きが頻繁に行われ、パフォーマンスが大幅に低下します。特に、HDDはSSDに比べて遅いため、パーティションがフラグメント化していると、さらに読み書き速度が遅くなり、アプリケーションの起動が遅くなることもあります。
また、OSがパーティションの空き容量を確保するために無理にファイルを整理しようとするため、システム全体の動作が重くなり、作業効率が低下します。
バックアップや復元時のトラブル
パーティションサイズが不適切だと、バックアップやシステム復元の際にも問題が発生します。例えば、バックアップツールがパーティションサイズを考慮せずにバックアップを取ると、ディスク容量が足りずにバックアップが途中で失敗したり、復元時にエラーが起こったりします。
また、バックアップの保存先となるパーティションが容量不足の場合、重要なデータを失うリスクも高くなります。これを避けるためにも、パーティションを適切に設定することが非常に重要です。
ディスクの容量が不均衡になる
HDDやSSDに複数のパーティションを作成する場合、各パーティションに対して適切なサイズを設定しないと、どこかのパーティションだけが容量不足になり、他のパーティションには空き容量が大量に残ることがあります。この不均衡が続くと、必要なデータを格納するパーティションで容量不足に陥り、他のパーティションが無駄にスペースを消費してしまいます。
►パーティションの最適化のメリット
パーティションサイズを適切に設定し、最適化することで得られるメリットは数多くあります。これにより、システムのパフォーマンスを向上させ、データ管理が容易になるだけでなく、ディスク全体の寿命を延ばすこともできます。以下に、パーティションの最適化がもたらす具体的なメリットを紹介します。
ディスク容量の効率的な利用
パーティションを適切に設定することで、ディスクの容量を無駄なく使えるようになります。例えば、OSやアプリケーションをインストールするパーティションに十分な容量を確保し、データ用のパーティションにはユーザーのファイルを十分に保存できるスペースを割り当てることができます。これにより、どのパーティションも適切に使用され、容量不足のトラブルを防げます。
また、容量が足りなくなった場合でも、パーティションを簡単に調整することで、必要なデータを確保することができ、効率的なデータ管理が可能になります。
システムのパフォーマンス向上
パーティションを最適化すると、ディスクの読み書きが効率よく行われ、システム全体のパフォーマンスが向上します。特に、OSパーティション(Cドライブ)の最適化は重要で、空き容量を十分に確保しておくことで、OSがスムーズに動作します。これにより、アプリケーションの起動速度やファイルの読み込み速度が速くなり、全体的にパソコンのレスポンスが向上します。
パーティションに適切な空き容量を設けておくことで、デフラグやスキャンなどのメンテナンス作業も効果的に行えるため、ディスクのパフォーマンスを長期間保つことができます。
バックアップや復元がスムーズに
適切にパーティションを分けておくことで、バックアップが効率的に行えます。例えば、システムパーティションとデータパーティションを分けておけば、システムのリカバリを行う際にデータが失われることなく、安全に復元できます。また、重要なデータが別パーティションに保存されていれば、システムの不具合が発生した際にもデータを守りやすくなります。
バックアップを取る際にも、特定のパーティションのみを選択してバックアップを実行できるため、不要なデータを省いて効率よくバックアップが可能です。これにより、時間やストレージのコストも節約できます。
ディスクの寿命延長
特にSSDでは、書き込み回数が限られているため、パーティションサイズを適切に設定し、無駄な書き込みを避けることがディスクの寿命を延ばすために重要です。例えば、大きなファイルを小さなパーティションに保存すると、頻繁に書き込みが行われ、SSDに負担がかかることがあります。パーティションを適切に分け、容量を均等に使うことで、SSDの寿命をより長く保つことができます。
また、パーティションの最適化により、フラグメントの発生を抑えることができ、SSDやHDDに優しい状態を維持することができます。
Windows 7/8/10/11でのパーティションを変更する方法3選
►方法1:サードパーティツールを使ったパーティション変更
サードパーティ製のパーティション管理ツールは、パーティションサイズを変更する際に非常に便利です。中でも、AOMEI Partition Assistantは、初心者でも簡単に操作できるため、非常におすすめです。このツールは、ワンクリックで空き領域を調整できる機能を備えており、ディスクの容量を手軽に最適化できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、変更したいパーティション(例:Cドライブ)を右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. 例えば、DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「保留中の操作」を表示して、操作内容を確認できます。実行するには、「適用」と「続行」をクリックしてください。
►方法2:コマンドプロンプトを使ったパーティション変更
Windowsには「diskpart」というコマンドが標準搭載されており、これを使ってパーティションを変更できます。コマンドラインを使用してパーティションを変更する方法は、非常に強力で柔軟性があり、特に高度な操作が可能です。ただし、コマンド操作に慣れていないと間違って操作してしまうリスクもあるため、慎重に進める必要があります。
ステップ 1. Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」が表示されたら、右クリックして「管理者として実行」を選びます。
ステップ 2. コマンドプロンプトで「diskpart」と入力し、Enterキーを押して「diskpart」ツールを起動します。
ステップ 3. 「list disk」と入力し、Enterキーを押します。これで、接続されているディスクの一覧が表示されます。操作したいディスクの番号(例:Disk 0)を確認します。
ステップ 4. 「select disk X」と入力し(Xは選んだディスクの番号)、Enterキーを押します。
ステップ 5. 「list partition」と入力し、Enterキーを押します。これにより、パーティションの一覧が表示されます。
ステップ 6. 「select partition Y」と入力し(Yは選んだパーティションの番号)、Enterキーを押します。
ステップ 7. 「extend size=XXXX」と入力し、Enterキーを押します。「XXXX」は拡張したいサイズ(MB単位)です。例えば、5000MB(5GB)拡張する場合は「extend size=5000」と入力します。
ステップ 8. 操作が終わったら、再度「list partition」と入力し、Enterキーを押してパーティションのサイズを確認します。
ステップ 9. 作業が終わったら、「exit」と入力してdiskpartを終了します。
►方法3:ディスクの管理ツールを使ったパーティション変更
Windowsには、「ディスクの管理」ツールが組み込まれており、これを使用することで、パーティションの拡張や縮小、作成、削除などの操作が簡単に行えます。ディスクの管理ツールは、グラフィカルなインターフェースを提供しており、コマンドラインやサードパーティツールに比べて直感的に操作できます。
ステップ 1. 「Windowsキー + X」を押して、「ディスクの管理」を選びます。
ステップ 2. ディスク管理ツールが開くと、ディスクとそのパーティションが視覚的に表示されます。
ステップ 3. 拡張したいパーティションを右クリックし、「ボリュームの拡張」を選択します。
ステップ 4. 拡張ウィザードが表示されるので、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 拡張するサイズをMB単位で入力し、「次へ」をクリックします。
ステップ 6. 最後に「完了」をクリックして、操作を確定します。
各方法の比較と選び方
どの方法を選ぶべきかは、操作の目的や自分の技術レベル、必要な機能によって決まります。以下のポイントを参考にしてみてください。
方法 | サードパーティツール | コマンド(diskpart) | ディスクの管理ツール |
---|---|---|---|
特徴 | 外部の専用ツールをインストールして、ワンクリックでパーティション管理を行う | コマンドラインでパーティションを変更する | Windowsに標準搭載されているディスク管理ツールを使用 |
メリット |
- 高機能(クローン作成、パーティション消去など) - 直感的な操作が可能 - 高度な柔軟性 |
- 無料で使用可能 - 細かい制御が可能 - システムに依存しない |
- 無料で使用可能 - 簡単で直感的な操作 - 安全に使用できる |
デメリット |
- 外部ツールのインストールが必要 - 追加費用がかかることがある |
- コマンド操作に慣れていないと難しい - ミスをするとデータ損失のリスクあり |
- 高度な機能が不足 - 拡張には未割り当て領域が必要 |
操作の難易度 |
★★★★★ (非常に簡単、初心者向け) |
★★☆☆☆ (コマンド操作に慣れていないと難しい) |
★★★★★ (非常に簡単、初心者向け) |
費用 | 有料 | 無料 | 無料 |
こんな人におすすめ |
- ワンクリックで簡単に管理を行いたい方 - 高度な機能を利用したい方 |
- コマンドラインに慣れている方 - 無料で済ませたい方 |
- 初心者の方 - シンプルなパーティション管理を行いたい方 |
まとめ
HDDやSSDのパーティションサイズを適切に調整することは、システムパフォーマンスの向上やディスクの最適化に大きな役割を果たします。パーティションサイズが不適切だと、ディスク容量が無駄に浪費されたり、システムの動作が遅くなる可能性があります。パーティション変更方法には、サードパーティツール、コマンドライン、Windows標準のディスクの管理ツールなど、さまざまな選択肢があります。自分のニーズに合った方法を選び、安全かつ効率的にディスクの管理を行いましょう。