【簡単】USBメモリをFAT32にフォーマットする4つの方法
この記事では、Windows 7/8/10/11でディスクの管理、エクスプローラー、Diskpart、フォーマットツールを使用して、USBメモリをFAT32にフォーマットする4つの方法やフォーマット時の注意点などをご紹介します。
FAT32とNTFSについて
FAT32とNTFSは、Windowsオペレーティングシステム(Windows OS)で広く使用されている異なるパーティションファイルシステムです。
NTFSとは?
NT File System【NTFS】とは、Windows NT系の標準ファイルシステムで、現在のWindowsの主流ファイルシステムです。NT系のシステムのため、Windows NT以降のOS(2000/XP以降)で利用できますが、Windows 95、Windows 98などでは利用できません。
- ✔長所
- 圧縮、暗号化などの機能があります。
- 2TB以上のボリュームサイズを管理できます。
- 最大ファイル名長は255文字まで(Unicode)です。
- 1ファイルが4GB以上でも保存できます(容量制限はありません)。
- クラスターサイズ・アロケーションユニットサイズが512Byte~2048KBまでです。
- ❤注意
- Windows Me/98SE/98/95(4.00.950/4.00.950a)、Windows 3.1、DOSなどでは使用できません。
- Macでは読み取ることは可能ですが、書き込みができません。
- パソコン以外では、利用できないことが多いです。
FAT32とは?
ファイル・アロケーション・テーブル【File Allocation Table:FAT】で32bit化されたものを「FAT32」といいます。ビット数の違いで「FAT16」「FAT12」などもありますが、最近の主なFATは32bitです。
主にWindows 98/Meで使用されていたファイルシステムですが、以降のOSでも継続してサポートされています。現在最新のWindowsである「Windows 11」でも利用できますし、そのほか「MacOS」や「Linux」など別のOSでも利用できます。
- ✔長所
- Macでも利用可能です。
- 最大ファイル名長は255文字までです。
- 1つの領域として確保できる容量は最大2テラバイト(2TB)までです。
- 1ファイルの容量は最大4GB(Windows 98/98Seの場合は2GBまで)です。
- クラスターサイズ(512Byte ~ 64KBまで)がFAT16よりも小さく、記憶装置を効率的に使用できます。
- ❤注意
- Windows 2000、Windows XP、Windows Vistaの場合での注意事項:FAT32でフォーマットされた領域作成はOSの制限により32GBまでです(FAT32のファイルシステムの場合は32GB以下の容量で領域を作成してください)。
- Windowsで32GBを超える容量の機器を使用する場合は、メーカーが提供しているフォーマッター(AOMEI Partition Assistant、DiskFormatter2など)を利用する必要があります。
- 確保する領域が512MB以下のときは、FAT16としてフォーマットされます。FAT32としてはフォーマットできません。
- Windows 95(4.00.950/4.00.950a)、Windows NT、Windows 3.1、DOSなどでは使用できません。
- 圧縮、暗号化などの機能がありません。
FAT32とNTFS、どちらがUSBメモリに適していますか?
結論からお伝えすると、FAT32は主にUSBメモリやSDカードなどの外部記憶デバイス(リムーバブルメディア)など、NTFSは主に内蔵ハードディスク・SSDに使用されています。
▶ FAT32とNTFSの違いは以下の通りです。
- ★なぜUSBメモリやSDカードにFAT32がよく使われるのかというと、それなりの意味があります。
- ▶互換性:早い時期に作成されて以来、FAT32はほぼすべてのオペレーティングシステムと互換性があります。リムーバブルデバイスとして、XBOX、PS3/PS4、Androidなど、異なるオペレーティングシステム間で移動するのは、一般的なコンピューティングの動作です。したがって、互換性はUSBメモリにとって非常に重要な特性です。
- ▶汎用性:USBメモリは、持ち運んでWindows以外の端末で読み込むことも多いです。そんな時、NTFSだと正常に読み込めない場合があります。NTFSよりも汎用性が高いFAT32を使用すれば、他の端末でも読み込むことが可能です。NTFSとFAT32の大きな違いは、Windows以外の端末で使うかどうか?ということです。
- ▶メモリ節約:FAT32はUSBメモリのスペースを節約し、ディスク書き込み操作が少なくて済み、スピードが向上し、メモリ使用量も少なくなります。
なので、USBメモリに限らずSDカードなどもNTFSよりFAT32のほうが適しています。しかし、どのようにUSBメモリをFAT32にフォーマットしますか?この記事を続けて読んでください。
USBメモリをFAT32にフォーマットする方法
この記事では、Windows 10でUSBメモリをFAT32にフォーマットするため、4つの方法を説明します。Windows 10に標準搭載されているフォーマットツール「ディスクの管理」「エクスプローラー」「コマンドプロンプト」及びサードパーティ製フォーマットソフト「AOMEI Partition Assistant Professional」です。
ディスクの管理 | わかりやすいGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で操作をするため、アイコンなどを通じてUSBフォーマットを直感的に実現できますが、多いステップが必要ですし、制限もあります。 |
エクスプローラー | 最も簡単な方法ですが、32GB以上のUSBメモリや書き込み禁止になっているUSBメモリをFAT32にフォーマットできません。 |
diskpart.exe | CUI(キャラクターユーザーインターフェース)で操作をするため、コマンドライン知識がない人には操作が難しいですし、制限もあります。 |
フォーマットソフト | 64GBや128GBのような大容量USBメモリまたは書き込み禁止になっているUSBメモリをFAT32にフォーマットできますし、GUIで操作をします(おすすめ)。 |
- ※注:
- USBストレージデバイス(USBフラッシュドライブ)をFAT32形式にフォーマットすると、中身全部(すべてのデータ)が削除されるので、重要なファイルがあれば、事前にバックアップを作成しておいてください。
- フォーマットするストレージ以外の別のストレージ などの周辺機器を取り外した方がいいです。接続したまま操作すると、目的とは異なるストレージをフォーマットし、データを消去する可能性があります。
方法①:ディスクの管理でUSBメモリをFAT32にフォーマット
「ディスクの管理」は、その使いやすいグラフィカルユーザーインタフェースのため、ほとんどのユーザーに適しています。
1. 「コンピューター」または「PC」を右クリックして、「管理」を選択します。
2. インタフェースの左側にある「ディスクの管理」をクリックして、開きます。
3. フォーマットしたいUSBメモリを右クリックして、「フォーマット」を選択します。
4. ウィザードに従って「ファイルシステム」のメニューから「FAT32」を選択して、操作を完成させます。
5. 確認メッセージが表示されるので、問題なければ「OK」をクリックします。フォーマットが開始され、「正常」と表示されたら、終了です。
方法②:ファイルエクスプローラーでUSBメモリをFAT32にフォーマット
エクスプローラーは、ファイル管理ができるアプリケーションです。ファイルのコピー・移動・削除や閲覧、プログラムの起動など、いろんな場面で最もよく使うアプリケーションです。WindowsファイルエクスプローラーでUSBメモリをFAT32にフォーマットすることもできます。
1. 「コンピューター」または「PC」をダブルクリックして、エクスプローラーを開きます。
2. エクスプローラー上でフォーマットしたいストレージ・メディア(USBメモリ)を右クリックして、表示されるメニューから「フォーマット」を選択します。
3. ファイルシステム(FAT32)を選択した後、「クイックフォーマット」にチェックを入れて、「開始」をクリックします。
方法③:DiskpartコマンドでUSBメモリをFAT32にフォーマット
diskpart.exeは、ディスク管理用のコマンドラインツールで、上級ユーザーによく使用されています。以下はdiskpart.exeを利用して、USBメモリをFAT32でフォーマットする詳細な手順について解説します。まずはパソコンのUSBポートにUSB機器を差し込んでください。
1. 「Windows」+「R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を起動します。
2. 「名前」欄に「diskpart.exe」と入力して、「Enter」を押して、diskpart.exeを開きます。
3. 以下のコマンドを順に実行します。
- 各コマンドの入力ごとに「Enter」キーを押してください。
- list volume
- select volume X(XはUSBメモリのボリューム番号です。)
- format fs=fat32 quick
- exit
上記の3つの方法を使用する時に気をつけるべきこと
▶問題①:32GB以上のUSBメモリをFAT32にフォーマットできない
Windowsの標準機能で容量の大きい(32GBを超える)USBメモリやSDカードをFAT32形式にフォーマットすると、32GBまでしか認識・フォーマットできません。例えば「64GB」のUSBフラッシュメモリを「FAT32」でフォーマットすると、Windowsの仕様から「32GB」の容量までしか認識されなくなります。
FAT32で32GB以上の領域を作成できないため、64GBや128GBのような大容量USBメモリ(32GB以上のディスク領域)をFAT32にフォーマットするには、サードパーティ製のフォーマッタを利用することになります。
▶問題②:書き込み禁止になっているUSBメモリをフォーマットできない
USBメモリフォーマット中に書き込み禁止エラーが発生することがあります。一般的に、USBメモリがウイルスに感染しているか、書き込み禁止スイッチがオンになっているか、レジストリキーの設定が間違っているか、USBメモリがいっぱいになっているか、USBへの書き込みが禁止される原因はいくつかあります。
USBメモリの書き込み禁止を解除するにはDiskpart、RegEdit、第三者ソフトなどを使用できます。詳細情報については「Windows 11/10/8/7でUSBメモリの書き込み禁止を解除」を参照してください。
▶問題③:アロケーションユニットサイズを指定する時の注意点
アロケーションユニットサイズ(クラスターサイズ)は、ディスクにファイルを格納・管理するときの最小単位です。言葉自体の意味としては『割り当て単位の大きさ』となります。不適切な値を指定すると、パフォーマンスに直接影響します。
アロケーションユニットサイズを大きくすると、アクセス効率が上がりますが、容量使用効率が下がります。アロケーションユニットサイズを小さくすると、ストレージ容量を節約しますが、大きなファイルを保存するときに細かく分かれ過ぎてしまい、読み書き速度が遅くなったり、ファイルの断片化が生じやすくなります。
一般的に、USBメモリはファイルアクセス速度が遅いため、アロケーションユニットサイズを大きくするメリットは大きいです。また、大容量ファイルを保存する場合、大きなクラスターサイズを選択し、小容量ファイルを保存する場合、小さなクラスターサイズを選択したほうがいいです。
方法④:フォーマットソフトでUSBメモリをFAT32にフォーマット
AOMEI Partition Assistant Professionalは、Windows 11/10/8/8.1/7用に設計された、信頼性の高い包括的なディスク・パーティション管理ソフトです。これにより、ユーザーは64GBなどの大きなパーティションをFAT32にフォーマットするだけでなく、ほかのファイルシステム(例えば:NTFS、EXFAT、EXT4/3/2など)にフォーマットすることもできます。また、フォーマットを実行する時に、書込み禁止やクラスターサイズなどの問題を自動的に解決することができます。
USBメモリを除いて、AOMEI Partition Assistantは、SDカード、HDD、ペンドライブ、ポータブル外付けHDDなどをFAT32にフォーマットすることができます。また、ユーザーフレンドリーなインターフェースを備えるため、PC初心者でも楽に操作することができます。
Windows Serverで使用可能なAOMEI Partition Assistant Server版もあります。ITサービスプロバイダーや企業である場合、台数無制限のPC&サーバー向けAOMEI Partition Assistant Unlimited版またはAOMEI Partition Assistant Technician版(*お客様に有償技術サポートを提供)をお勧めします。
💎各AOMEI Partition Assistant(PA)エディションの比較
1. まず、USBメモリをPCに挿入します。そしてAOMEI Partition Assistant Professionalをダウンロード、インストール、実行します。メインインターフェイスでUSBドライブを右クリックして「パーティションをフォーマット」を選択します。
2. ポップアップウィンドウで「FAT32」をパーティションファイルシステムとして選択します(EXT2/3にもフォーマットできます)。クラスターサイズをデフォルト値に設定できますが、他の値への変更もできます。必要に応じてパーティションラベルを編集します。
3. 最後に「適用」⇒「続行」をクリックします。
強力なフォーマットソフトの助けを借りて、USBメモリをFAT32にフォーマットすることには3つのステップだけが必要です。また、AOMEI Partition Assistantを利用すると、NTFSをFAT32に変換したり、起動可能なメディア(CD/DVDまたはUSBメモリ)を作成してWindowsが起動しない場合HDDをフォーマットしたりすることもできます。さらに、ディスク&パーティションをうまく管理するために、データを失うことなく、パーティションを作成、リサイズ、移動、結合、分割するなどの機能も持っています。
FAT32へのUSBフォーマットについてよくある質問
Q1:FAT32とは何ですか?
A1:FAT32(File Allocation Table 32)は、USBドライブや他のリムーバブルメディアに使用されるファイルシステムの一種で、これはデータを保存しやすくするためにディスク上の領域を管理する方法を定義しています。
Q2:USBをFAT32フォーマットする理由は何ですか?
A2:FAT32は、異なるオペレーティングシステム(Windows、Mac、Linuxなど)で読み取り可能なフォーマットです。USBをFAT32にフォーマットすると、異なるデバイス間でデータを簡単に共有できます。
Q3:FAT32フォーマットのUSBドライブは、他のフォーマットと比べてどのような利点がありますか?
A3:FAT32は、互換性が高く、ほとんどのデバイスでサポートされているため、異なるプラットフォームでの利用が容易です。また、小容量のUSBドライブに最適であり、携帯性があります。
Q4:USBをFAT32から他のフォーマットに変更することはできますか?
A4:はい、できますが、他のフォーマットに変更する前に、USBドライブ内のデータをバックアップしてください。一部のフォーマットは特定のオペレーティングシステムにしか対応していないため、注意が必要です。
Q5:FAT32フォーマットで注意すべき制限はありますか?
A5:FAT32は4GBを超えるファイルに対応していません。したがって、大容量のファイルをUSBに保存する場合は、他のフォーマット(exFATやNTFSなど)を検討する必要があります。
Q6:USBドライブをFAT32にフォーマットする手順は何ですか?
A6:USBドライブをコンピューターに挿入し、ファイルエクスプローラーを開き、USBドライブを右クリックし、「フォーマット」オプションを選択します。ファイルシステムとして「FAT32」を選択し、必要に応じて他の設定を構成します。「開始」ボタンをクリックしてフォーマットを開始します。
Q7:FAT32以外のフォーマットを選択する際の注意点は何ですか?
A7:他のフォーマットを選択する際には、そのフォーマットがサポートされているデバイス上での利用ができるか確認してください。一部のフォーマットは特定のオペレーティングシステム(OS)でしか利用できないことがあります。
後書き
現在使われているファイルシステムは、大きく分けてNTFS・FAT32の2つがあります。Windowsだけで使用するHDD・SSDは、NTFSでフォーマットするのが基本です。よく持ち運びするUSBメモリ・SDカードなどは、FAT32を使用します。
以上は、USBメモリをFAT32にフォーマットする4つの方法です。簡単でしょう~
うまくフォーマットができない場合は、物理的な接続の問題、もしくは、USBメモリ自体の不具合などが考えられます。一度、USBを取り外し、接続し直してみましょう。また、物理的な接続の問題でない場合は、「ディスクの管理」の「ボリュームの削除」でUSBメモリ内のすべてのパーティション(データ)を削除して、「未割り当て」領域と表示されたら、「新しいシンプルボリューム」でパーティションのフォーマットを実行することができます。
通常は、フォーマットソフトなどを使用してUSBメモリをFAT32にフォーマットしますが、重要なファイルを失いたくない場合は、フォーマットせずにUSBメモリをNTFSからFAT32に変換する方法もあります。
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