Windows 10でUEFIブートマネージャーを修復する方法

Windows 10で「ブートマネージャーの修復」に関する問題が発生すると、PCが起動しなくなり、「BOOTMGR is missing」や「Recovery Your PC needs to be repaired」などのエラーメッセージが表示されることがあります。これらのエラーメッセージは、システムのブートローダーやブートマネージャーが正常に動作しないことを示しており、システムの修復が必要です。この記事では、UEFI環境でのWindows 10のブートマネージャー修復方法を説明します。

ひとみ

投稿者:ひとみ/更新日:2025年02月26日

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ブートマネージャーとは?

ブートマネージャーとは、PCの起動時にオペレーティングシステム(OS)を選択し、起動するためのプログラムです。Windowsの場合、ブートマネージャーは、PCが起動する際に必要な情報を提供し、どのOSをロードするかを決定します。特に、複数のOSがインストールされている場合や、UEFIを使用している場合、ブートマネージャーは非常に重要な役割を果たします。UEFIブートマネージャーは、従来のBIOSよりも多機能で、セキュリティや起動速度が向上しているため、近年のPCでは標準となっています。

Windows 10では、Windowsブートマネージャー(Bootmgr)がPCの起動を担当しており、OSの選択画面や回復オプションを表示する役割を果たします。何らかの理由でブートマネージャーが破損すると、Windowsが正常に起動できなくなります。

Windows 10でUEFIブートマネージャーの問題が発生する原因

ブートマネージャーが正常に機能しない場合、その原因はさまざまです。以下に代表的な原因を紹介します。

1. システムファイルの破損

Windowsのシステムファイルが破損していると、ブートマネージャーが正常に動作しません。これには、ブート構成データ(BCD)の破損やブートローダーの不具合が含まれます。

2. 不適切なシャットダウン

PCが突然シャットダウンしたり、強制終了されたりすると、ブートマネージャーやその他のシステムファイルが正しく更新されず、起動時に問題が発生することがあります。

3. パーティションテーブルの問題

ディスクのパーティションテーブル(特にGPT)に問題がある場合、ブートマネージャーが見つけられなくなることがあります。特に、システムディスクがMBRからGPTに変換される際に問題が発生することがあります。

4. 不正なUEFI設定

UEFI設定が誤って変更されたり、セキュアブートが無効になっている場合、ブートマネージャーが正しく起動しないことがあります。

🍅関連記事:Windows 10でUEFIセキュアブートを有効化する方法

Windows 10のブートマネージャーを修復する方法

Windows 10でブートマネージャーに関連する問題を修復するには、ブート修復ツールを使用した方法や、Windows回復環境(WinRE)を使用した方法や、コマンドプロンプトを使用した方法があります。以下の手順を順番に試してみてください。

方法1. ブート修復ツールでブートマネージャーを修復

Windows 10でPCを起動できない場合、UEFIブートマネージャーの設定に問題があることが考えられます。UEFIは、PCの起動プロセスにおいて重要な役割を担っており、ブートマネージャーが正しく設定されていないと、Windowsが起動しなくなることがあります。UEFIブートファイルが壊れたり、誤って変更された場合、通常の方法では修復できないこともありますが、AOMEI Partition Assistantを使えば、簡単に修復できます。

AOMEI Partition Assistantは、UEFIブートマネージャーの修復機能を提供しており、PCが正常に起動しない場合でも、ブートに必要な構成ファイルを修復することができます。これにより、PCを再び正常に起動できるようにすることが可能です。ユーザーフレンドリーなインターフェースと強力な機能を備えたこのツールは、初心者から経験者までに使用できます。

▶事前準備:
動作中のコンピュータ:AOMEI Partition Assistantをインストールし、ブータブルメディアを作成するための動作中のコンピュータ
USBフラッシュドライブまたはCD/DVD:ブータブルメディアを作成するためのメディア
AOMEI Partition Assistant

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ステップ 1. まず、AOMEI Partition Assistantを別の動作中のPCにインストールして、ブート可能メディア(USBまたはCD/DVD)を作成します。メイン画面の「復元」→「ブート修復」とクリックします。

ブート修復

ステップ 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックしてWinPE用のブート修復USBを作成します。

ブータブルディスクを作成

ステップ 3. 作成したブート可能メディアを起動できないPCに挿入し、PCをそのメディアから起動します。ブート修復ツールが自動的にUEFIに関する問題を検出し、必要な修復作業を行います。

修復可能なブートエントリ

ステップ 4. 修復したいエントリを選び、「修復」ボタンを押して処理を開始します。

修復

ステップ 5. 修復が完了したら、PCを再起動して、Windowsが正常に起動するかを確認します。

AOMEI Partition Assistantは、Windows 10でUEFIブートマネージャーに関する問題を修復するための強力なツールです。UEFIファイルが壊れてしまった場合でも、ブート修復機能を使うことで、簡単に修復を実行でき、PCを正常に起動できるようになります。また、ディスククローンOSの移行、MBR・GPTディスクへの変換、既存のアプリの移動、空き領域の割り当てなど、PCのメンテナンスやデータ保護に役立つさまざまな機能も搭載しており、総合的なディスク管理を支援してくれます。Windows Serverユーザー向けにServer版もあります。

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方法2. Windows回復環境(WinRE)でブートマネージャーを修復

WinREは、Windowsが起動できない場合に使用できる修復ツールです。WinREには、スタートアップ修復ツールやシステムの復元、コマンドプロンプトなどのオプションがあります。「BOOTMGR is missing」や「Recovery Your PC needs to be repaired」などのエラーメッセージが表示される場合、Windows回復環境に入り、ブートマネージャーを修復することができます。

PCの電源を入れ、起動中に何度かF8キーまたはShift + F8キーを押して、Windows回復環境(WinRE)にアクセスします。「トラブルシューティング」、「詳細オプション」を選び、次に「スタートアップ修復」や「システムの復元」や「コマンドプロンプト」を選択できます。

スタートアップ修復

👉「スタートアップ修復」UEFIブートマネージャーを修復

ステップ 1. 「スタートアップ修復」をクリックした後、複数の管理者アカウントが登録されているPC環境ではアカウント選択画面が表示されるので、対象のアカウントを選択します。

ステップ 2. アカウントのパスワードを入力して、「続行」を選択すると、修復処理が開始されます。

ステップ 3. 診断がスタートした後、「PCを診断中」⇒「ディスクのエラーを確認しています・・・」⇒「修復しようとしています」の順にメッセージが表示されます。問題点の検出と自動修復を待てばよいでしょう。修復が完了するまで1時間ほど待機します。

修復しようとしています

📢スタートアップ修復とは、自動的に不具合原因の検知を行い、必要な修復が実行される便利な機能です。しかし、処理が完了するまでに相当な時間がかかる場合があります。

修復が成功するとWindowsが起動し、ロック画面が表示されます。スタートアップ修復に失敗してしまった場合に「詳細オプション」を選択し、他の修復作業を進めることができます。

スタートアップ修復に失敗

Windowsが自動的に起動に関連する問題を検出し、修復を試みます。 スタートアップ修復が機能しない場合は、「コマンドプロンプト」オプションを使用して手動で修復を行います。

👉「システムの復元」でUEFIブートマネージャーを修復

ステップ 1. 「システムの復元」をクリックした後、対象となるアカウントを選択します。

ステップ 2. アカウントを選択すると「システムファイルの設定の復元」画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。

システムファイルと設定の復元

ステップ 3. 日付と説明などにより、復元したい項目(復元したい日時の復元ポイント)を選択して、「次へ」をクリックします。

復元ポイント

ステップ 4. 「復元ポイントの確認」画面が表示されるので、問題がなければ「完了」をクリックします。

復元ポイントの確認

ステップ 5. 「いったんシステムの復元を開始したら・・」というメッセージ画面が表示されます。そこで、「はい」を選択すると、システム復元の処理実行が始まります。

注意事項:
「コンピューターのシステムドライブに復元ポイントが作成されていません」と表示された場合は、システムの復元を実行できません。
システムを復元すれば、パソコンを購入時の状態などに戻すことができ、起動できる可能性があります。
👍「Windows 10」システムの復元を実行する方法

方法3. コマンドプロンプトでブートマネージャーを修復

ブートマネージャーが正常に動作しない場合、システムファイルが破損している可能性があります。コマンドプロンプトを使用して、手動でMBRやBCD(ブート構成データ)を修復することができます。この方法では、以下のコマンドを使用してブートローダーを修復します。

ステップ 1. PCの電源を入れ、起動中に何度かF8キーまたはShift + F8キーを押して、Windows回復環境(WinRE)にアクセスします。次に、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。

ステップ 2. コマンドプロンプトで以下のコマンドを順に入力して実行します。

  • bootrec /fixmbr:マスターブートレコード(MBR)を修復します。
  • bootrec /fixboot:ブートセクタを修復します。
  • bootrec /rebuildbcd:ブート構成データ(BCD)を再構築します。

ステップ 3. コマンド実行後、PCを再起動し、問題が解決しているか確認します。

方法4. システム修復ディスクでブートマネージャーを修復

あらかじめシステム修復ディスクを作成しておくと、Windows 10が起動しない場合に、これを使って修復作業を行うことができます。

ステップ 1. システム修復ディスク(またはWindowsインストールメディア)をPCに挿入します。

🍅関連記事:Windows 10/11でシステム修復ディスクを作成する方法

ステップ 2. PCを再起動し、最初に言語やキーボードなどを選ぶ初期設定の画面が表示されたら、そのままにして「次へ」をクリックします。「コンピューターを修復する」オプションを選択します。

コンピュータを修復する

ステップ 3. 上記の手順と同じ、「トラブルシューティング」、「詳細オプション」を選び、次に「スタートアップ修復」や「システムの復元」や「コマンドプロンプト」を選択できます。

「コマンドプロンプト」を選択した場合、前述のbootrecコマンドを実行して、Windows 10のUEFIブートマネージャーを修復します。

追加:Windowsブートマネージャーが機能しないのを防ぐ方法

Windows 10ブートマネージャーからWindows OSが起動しない場合には、いくつかの解決策があります。しかし、Windowsブートマネージャーの問題や最悪の状況を予防するためのいくつかの対策を取ることをおすすめします。

UEFIブートモードを使用している場合、「UEFIブートマネージャー」機能を使用してWindowsのブート設定をバックアップできます。エラーが発生した場合、バックアップファイルを使用してWindowsのブートを迅速に復元できます。

ブートオプションをバックアップする

ステップ 1. 必要に応じて回復できるように、バックアップしたいブートオプションをクリックしてバックアップを作成します。

ブートオプションをバックアップ

ステップ 2. PC上の場所を選択し、「保存」をクリックしてバックアップを保存します。

保存

ステップ 3. 最後に、.PAUBファイル(バックアップファイル)が作成されます。

PAUBファイルが作成され

ブートオプションを復元する

復元するには、バックアップファイルにアクセスするためにセーフモードでOSに入ることができます。

ステップ 1. バックアップしたブートオプションを選択し、「復元」ボタンをクリックしてください。

復元

ステップ 2. バックアップした.PAUBファイルを見つけて選択し、復元します。

PAUBファイルを選択

まとめ

この記事では、Windows 10のブートマネージャーを修復する方法について説明しています。特に、UEFI環境における起動の問題に焦点を当てており、UEFI設定やブートローダーに関するエラーが発生した際の対処法を説明しています。Windowsのブートマネージャーが壊れたり、起動エラーが発生した場合には、AOMEI Partition Assistantを使用してUEFIのブート設定を修復することができます。このツールを使用することで、システムを手動で修復する手間が省け、簡単にブート問題を解決することができます。

AOMEI Partition Assistantの「ブート修復」機能を利用すれば、ブートエラーを自動で修復でき、システムが再度正常に起動するように設定を行います。これにより、ユーザーは複雑なコマンドを使用せずに、PCの起動に関するトラブルを迅速に解決することができます。

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Windows 10のブートマネージャーに関するFAQ

1. Windows10のBoot Managerを修復するには?

Windows 10でUEFIブートマネージャーを修復する方法には、いくつかの手順があります。まず、PCをWindowsインストールメディア(USBまたはDVD)で起動し、「コンピューターを修復する」オプションを選びます。次に、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。コマンドプロンプトが開いたら、「bootrec /fixmbr」と入力して、MBR(マスターブートレコード)を修復します。その後、「bootrec /fixboot」コマンドを実行して、ブートセクタを修復します。さらに、「bootrec /rebuildbcd」を実行して、ブート構成データ(BCD)を再構築します。これにより、UEFIブートマネージャーの問題を修復し、PCの起動を正常に戻すことができます。

2. Windowsブートマネージャーはどこにあるか?

BOOTMGRに必要な設定データは、Windows XPのような古いバージョンのWindowsで使用されていたBoot.iniファイルを置き換えるレジストリのようなデータベースであるBCD(Boot Configuration Data、ブート構成データ)ストアにあります 。

BOOTMGRファイル自体は読み取り専用で、非表示になっています。「ディスクの管理」で「アクティブ」とマークされたパーティションのルートディレクトリにあります。ほとんどのWindowsコンピューターでは、このパーティションは「システムで予約済み」とラベル付けされ、ドライブ文字がありません。システムで予約済みのパーティションがない場合、BOOTMGRはプライマリパーティションにあります。通常はC:ドライブです。

ひとみ
ひとみ・編集者
ひとみは、パソコンに関わるヘルプドキュメント、基礎知識、リソースなどを書いています。そのほか、バックアップ&復元、クローン、ディスク&パーティションの管理などの記事もたくさん持っています。分かりやすく、手順が追いやすい文章を心がけ、ユーザーがトラブルをスムーズに解決できるように工夫しています。専門用語を適切に解説し、異なる知識レベルの読者にも理解しやすい文章を心がけています。信頼性の高い情報を見極め、最新のトレンドやテクノロジー動向にも常に注意を払っています。