パソコンが起動できない原因と10つの解決策を詳しく解説!電源トラブルやBIOS設定、ハードウェアのチェック方法まで、画像付きで分かりやすく紹介します。
「昨日まで普通に使えていたパソコンが、突然起動しなくなった…!」
こんな経験はありませんか?電源ボタンを押しても反応しない、ロゴ画面で止まる、エラーメッセージが出る——仕事や大事なデータが詰まったPCが動かなくなると、焦ってしまいますよね。
実は、パソコンが起動しない原因の多くは、ちょっとした確認や対処で解決できることがあります。電源周りのトラブル、ソフトウェアの不具合、ハードウェアの故障など、原因はさまざまですが、適切な手順を踏めば復旧できる可能性が高いです。
この記事では、パソコンが起動しない主な原因と、誰でもできる10つの対処法を画像付きでわかりやすく解説します。トラブルを解決し、大切なデータを守るために、ぜひ最後までご覧ください!
パソコンが起動しない原因は、大きく分けて「電源トラブル」「ハードウェアの不具合」「ソフトウェアの問題」の3つに分類できます。それぞれの具体的な原因を詳しく見ていきましょう。
◉1. 電源関連のトラブル(パソコンが全く反応しない場合)
電源が正しく供給されていないと、パソコンは起動しません。以下のポイントをチェックしてみましょう。
▸電源コードやアダプターの不具合:コードがしっかりと接続されているか、断線がないかを確認してください。また、別のコンセントを試すことも効果的です。
▸ノートパソコンのバッテリーが切れている:バッテリーが完全に放電している可能性があるため、数時間充電してみてください。バッテリーを取り外し、ACアダプターのみでの起動も試みると良いでしょう。
▸電源ユニットの故障(デスクトップパソコン):電源ボタンを押してもランプが点灯しない場合、電源ユニットに問題があるかもしれません。
◉2. 周辺機器の干渉(外部デバイスが影響している場合)
周辺機器、例えばUSBメモリや外付けHDD、プリンターなどが原因で、パソコンが起動しないことがあります。
ブートデバイスの優先順位が変更されている場合、USBメモリや外付けHDDを接続したまま起動すると、Windowsではなく他のデバイスを読み込もうとして起動しないことがあります。また、キーボードやマウスに異常があると、特定のUSB機器が認識されず、BIOSの操作ができなくなることもあります。
この問題を解決するためには、すべての周辺機器を一度取り外し、パソコン単体での起動を試みることをお勧めします。
◉3. ハードウェアの故障(内部部品の問題)
パソコン内部のコンポーネントに故障が発生すると、起動時にエラーメッセージが表示されたり、特定の画面でフリーズすることがあります。
▸HDDまたはSSDの故障:HDDやSSDが損傷すると、Windowsが正常に読み込まれず、起動が不可能になります。異音(カチカチ音や異常な回転音)が聞こえる場合は注意が必要です。
▸メモリ(RAM)の接触不良や故障:メモリが正常に機能しない場合、起動時に「ピッピッ」というビープ音が鳴ったり、画面が真っ暗な状態が続くことがあります。
▸グラフィックボードの不具合(自作PCやゲーミングPC):外部GPUに異常があると、映像が出力されず、画面が真っ黒になることがあります。
これらの問題は、部品の交換や修理が必要となることが多いです。
◉4. Windowsのシステムエラー(OS関連の不具合)
Windowsのシステムが損傷すると、起動が不可能になる場合があります。
▸Windowsアップデートの失敗:更新中にエラーが発生し、起動時に「自動修復を準備しています」や「Windowsの構成に失敗しました」といったメッセージが表示されることがあります。
▸システムファイルの損傷:ウイルス感染や不適切な設定変更によって、重要なシステムファイルが損傷している場合、Windowsが起動しなくなることがあります。
▸ブルースクリーン(BSOD)エラー:STOPコード(例:0xc000021a、0x0000007bなど)が表示され、再起動が繰り返されることがあります。
このような場合、Windowsの回復オプションやUSBブートによる修復が必要となることが多いです。
◉5. BIOS/UEFIの設定ミス
BIOS(UEFI)の設定が不適切であると、システムが正常に起動しないことがあります。
▸ブート順の誤設定:USBメモリやネットワークブートが優先されている場合、HDDまたはSSDからの起動ができなくなります。
▸設定変更による影響:オーバークロックやセキュアブートの設定変更が原因で、起動時にエラーが発生することがあります。
BIOS設定を初期状態に戻すことで、問題が解決することがあります。
◉6. ウイルス・マルウェアの影響
ウイルス感染が原因でシステムが損傷を受けると、起動が不可能になることがあります。
ブートセクタがウイルスに感染された場合、HDDやSSDのブート領域が変更され、Windowsが正常に読み込まれなくなります。
ランサムウェアの影響を受けると、データが暗号化され、Windowsの起動が妨げられることがあります。
このような状況においては、ウイルス対策ソフトのブートスキャン機能を利用するか、オペレーティングシステムのクリーンインストールが必要となることがあります。
次のセクションからは、これらの問題を解決するための9つの具体的な対策について詳しく説明いたします。
パソコンがまったく反応しない場合、電源周りのトラブルが原因である可能性が高いです。特に「電源ボタンを押してもランプが点灯しない」「ファンが回らない」「画面が真っ黒のまま」という症状がある場合は、次の手順で確認しましょう。
▌1:電源コードとアダプターを確認する
►デスクトップPCの場合は:
ステップ 1. 電源ケーブルがコンセントに正しく接続されているか確認し、別のコンセントに差し替えてみることを推奨します。
ステップ 2. 電源タップや延長コードを使用している場合は、直接コンセントに接続することをお勧めします。
ステップ 3. PC本体の電源スイッチ(背面)を「OFF」から「ON」に切り替えてみてください。
ヒント:一部のデスクトップPCには、背面にメイン電源スイッチが設けられています。
ステップ 4. 別のPC用電源ケーブルや同規格のケーブルを試してみることも有効です。
►ノートPCの場合は:
ステップ 1. ACアダプターが正しく接続されているかを確認してください。
ステップ 2. バッテリーが完全に放電している可能性があるため、少なくとも30分以上充電してください。
ステップ 3. ACアダプターを別のコンセントに差し替えるか、別のアダプターを使用してみてください。
ステップ 4. バッテリーを取り外し、ACアダプターのみで起動できるかを試してください(バッテリーが着脱可能なモデルに限ります)。
▌2:放電(電源リセット)を行う
長期間PCを使用したり、突然の電源断が発生した場合、PC内部に不要な電気が残っていることで正常に起動しないことがあります。これを解消するために「放電(電源リセット)」を試してみましょう。
►デスクトップPCの場合は:
ステップ 1. PCの電源ケーブルをコンセントから外します。
ステップ 2. PC本体の電源ボタンを約10~15秒間押し続け、内部の残留電気を放出させます。
ステップ 3. 1~2分間待機します。
ステップ 4. 電源ケーブルを再び接続し、PCを起動します。
►ノートPCの場合は:
ステップ 1. ACアダプターとバッテリー(取り外し可能な場合)を取り外します。
ステップ 2. 電源ボタンを15~30秒間押し続けます。
ステップ 3. ACアダプターを接続し、電源を入れてみます。
ステップ 4. 正常に起動した場合は、バッテリーを再装着します。
パソコンが起動しない原因の一つに、接続された外部デバイスの影響があります。特に、USBメモリや外付けHDDが接続された状態で起動すると、PCが誤ってそれらのデバイスから起動しようとし、正常に立ち上がらないことがあります。
また、周辺機器(マウス、キーボード、プリンターなど)がPCの電源投入時に誤作動を起こすことで、起動トラブルが発生する場合もあります。
ステップ 1. PCの電源を完全にオフにします(強制終了が必要な場合は、電源ボタンを10秒以上押し続け)。
ステップ 2. 上記の外部デバイスをすべて取り外します。
ステップ 3. PCの電源を入れ、正常に起動するかを確認します。
ステップ 4. 正常に起動した場合、外部デバイスのいずれかが原因である可能性が高い。各デバイスを1つずつ接続し、再起動を繰り返して、問題を引き起こしているデバイスを特定します。
BIOSの設定が外部デバイスによって意図せず変更されてしまった場合、CMOSクリア(BIOSリセット)を行うことでデフォルトの設定に戻せます。
ステップ 1. PCの電源を完全にオフにし、コンセントを抜きます。
ステップ 2. PCのケースを開け、マザーボード上のCMOS電池を特定します。
ステップ 3. CMOS電池を取り外し、約5分間待機します。
ステップ 4. 電池を再装着し、PCを起動します。
ヒント:ノートPCの場合は、「電源ボタンを15~30秒間長押しする」ことで、CMOSクリアと同様の効果を得られることが一般的です。
ステップ 1. 電源ボタンを10秒以上長押ししてPCを強制的にシャットダウンします。
ステップ 2. 再び電源を入れ、Windowsのロゴが表示された際に再度電源ボタンを長押しして強制終了します。
ステップ 3. この手順を3回繰り返すことで、「自動修復」画面が表示されます。
ステップ 4. 「オプションの選択」を選択します。
ステップ 5. 「トラブルシューティング」 → 「詳細オプション」 → 「スタートアップ設定」→「再起動」の順に進みます。
ステップ 6. 「再起動」をクリックし、画面の指示に従って、場合によってF4、F5、またはF6を押してセーフモードに入ります。
✅ BIOSの設定を確認すべき状況
ステップ 1. BIOSを開くには、パソコンの起動直後に特定のキーを押す必要があります。PCの電源を入れ、すぐに「BIOSキー」を連打します。
ステップ 2. BIOS画面が表示されたら、矢印キー(↑↓←→)を使用して操作します。「Boot」または「Startup」メニューを探してください。(メーカーによって異なる場合があります)
ステップ 3. 設定を変更した後、「F10」キーを押して「Save and Exit」(保存して終了)を選択します。
※BIOSの設定に誤りがある場合は、工場出荷時の設定にリセット(初期化)することをお勧めします。
ステップ 1. 「Load Setup Defaults」または「Restore Defaults」というオプションを選択します。
ステップ 2. 「Yes」を選択して設定を初期化します。
ステップ 3. 「F10」キーを押して「Save & Exit」を選択し、再起動します。
Windowsには「システムの復元」機能があり、パソコンの状態を過去の正常な状態に戻すことができます。最近の更新やソフトウェアのインストールが原因でパソコンが起動しなくなった場合、システムの復元を行うことで問題が解決することがあります。
ヒント:復元ポイントが作成されている場合に限り、実行が可能です。
ステップ 1. 「対処法④ セーフモードで起動してみる」と同様の手順で「詳細オプション」にアクセスします。
ステップ 2. 「システムの復元」を選択し、対象となるアカウントを選択します。
ステップ 3. アカウントを選択すると「システムファイルの設定の復元」画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 日付と説明などにより、復元したい項目(復元したい日時の復元ポイント)を選択して、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 「復元ポイントの確認」画面が表示されるので、問題がなければ「完了」をクリックします。
ステップ 6. 「いったんシステムの復元を開始したら・・」というメッセージ画面が表示されます。そこで、「はい」を選択すると、システム復元の処理実行が始まります。
スタートアップ修復は、Windowsが正常に起動できないときに自動的に問題を検出・修正する機能です。特に、以下のようなエラーメッセージが表示される場合に有効です。
✅ 「自動修復を準備しています」
✅ 「PCを診断中です」
✅ 「修復できませんでした」でも試す価値あり
この手法により、Windowsのシステムファイルの損傷やブート設定に関する問題を解決することが可能です。
ステップ 1. 「対処法④ セーフモードで起動してみる」と同様の手順で「詳細オプション」にアクセスします。
ステップ 2. 「スタートアップ修復」を選択し、Windowsが自動的に診断を開始し、問題の修復を試みます。
ステップ 3. 修復が完了した後、PCを再起動し、正常に起動するかどうかを確認します。
スタートアップ修復が成功しない場合、コマンドプロンプトを使用して手動で修復を試みることが可能です。
ステップ 1. 「対処法④ セーフモードで起動してみる」と同様の手順で「詳細オプション」にアクセスします。「コマンドプロンプト」を選択します。
ステップ 2. 次のコマンドを一行ずつ入力し、Enterキーを押してください。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
ステップ 3. 処理が完了した後、PCを再起動し、正常に起動するかどうかを確認してください。
AOMEI Partition Assistantは、数回のクリックでWindowsの起動に関する問題を容易に解決できる便利なツールです。「ブート修復」機能は、Windows 11、10、8/8.1、7の起動トラブルや、更新後の問題、マルチブートの競合、ブートセクタの損傷に対して効果を発揮します。
ステップ 1. 用意したUSBメモリ(8GB以上)を別の動作中のPCに接続し、AOMEI Partition Assistantを実行し、開いて「復元」→「ブート修復」を選択します。
ステップ 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックして、修復用のディスクを作成します。
ステップ 3. 作成したシステム修復ディスクを使って、問題のあるPCを起動します。ブート修復ツールが自動で起動し、スキャンが始まり、修復可能なブートエントリが表示されます。
ステップ 4. 修復したいエントリを選び、「修復」をクリックしてブート修復を開始します。修復が終わるまで待ちます。成功すると「修復に成功しました」と表示されます。
ステップ 5. 修復が完了したら、USBメモリを取り外し、元のシステムドライブからWindowsを再起動します。
以上の方法を試しても解決しない場合は。ハードウェアの異常が原因でパソコンが起動しない可能性が高いです。特に、電源ユニット、メモリ、ストレージ(HDD/SSD)、マザーボードの故障が多いです。修理専門店に相談するのも一つの方法です。
修理・交換の判断基準として、
電源ユニットが故障 → 交換推奨(比較的安価で交換可能)
メモリが故障 → 交換推奨(低コストで解決可能)
HDD/SSDが故障 → データが重要なら復旧業者を検討、それ以外は交換
マザーボード・CPUが故障 → 高額なため、新しいPC購入も検討
グラフィックボードが故障 → 内蔵GPUで代用できない場合は交換
パソコンが起動しない原因はさまざまですが、電源の確認、外部デバイスの取り外し、BIOSのリセット、セーフモード起動など、適切な対処を行えば多くのケースで解決できます。特に、ハードウェアの故障が疑われる場合は、メモリやストレージのチェックを忘れずに行いましょう。すべて試しても改善しない場合は、専門業者に相談するのも一つの手です。